中国のLTE展開の状況と今後の展望

中国でも始まった4G-LTE大移動!

日本ではLTEといっても、既に各社が普通にサービスしていて目新しさが全く感じられないかもしれませんが、中国では昨年2013年12月4日に、中華人民共和国工業和信息化部(国家工業情報化部)が中国3大携帯キャリアである中国移動通信(China Mobile)、中国聯通(China Unicom)、中国電信(China Telecom)の3社に4G LTEのライセンスを交付。

12月18日から中国移動が日本でも一部キャリアが採用しているTD-LTE形式によるサービスを開始。

遅れて今年2014年2月から中国電信、3月から中国聯通でも一部地域からサービスが始まり、ようやくゆっくりと普及に向けて歩みを始めたばかりです。

現時点での中国のLTE展開の状況と今後どこまで伸長できるのか分析してみましょう。

4G LTEのユーザー数は、現時点では2014年2月度より公表が始まった中国移動の分しかありませんが、

5月現在で中国移動だけで810.9万人(データカードユーザーではなく4G契約ユーザー数です)。

4GLTEのユーザー数推移

  • 2月134.0万人
  • 3月279.3万人(前月比+145.3万)
  • 4月479.8万人(前月比+200.5万)
  • 5月810.9万人(前月比+331.5万)

と順調な伸びを見せています。

中国移動は2014年上半期時点で全国300都市で32万の4G基地局の開設を済ませており、2014年内に全国合計340都市、50万の基地局まで広げることを発表しています。

国策という名の通信規格の壁

中国 国旗 国

中国移動のTD-LTEは、3Gで採用していたTD-SCDMA同様に、中国の「国策」として推進するため、4G LTEで世界的に採用されているFDD-LTE形式での通信を提供する予定は全くありません。

一方の中国聯通、中国電信はFDD-LTE形式で提供する意向を示していたにも関わらず、「国策」でTD-LTEを推進するため、当初は3社全てTD-LTEのライセンスしか出しませんでした。よって、聯通と電信にとってはTD-LTEはまだ本意のサービスではなく、

  Band38/41(2.6GHz帯) Band39(1.9GHz帯) Band40(2.3GHz帯)
中国移動通信 2575~2635MHz 1880~1900MHz 2320~2370MHz
中国聯通 2555~2575MHz 2300~2320MHz
中国電信 2635~2655MHz 2370~2390MHz

中国移動が合計130MHz帯域幅に対し、中国聯通と中国電信はそれぞれ40MHz帯域幅しか取れていないので、大きな不利を受けている状況で、中国移動に比べるとユーザー数がまだまだ伸びていないだろうということが想像できます。

3社の現況を表現するならば、

中国移動は既にフルスロットルで加速中、中国聯通と中国電信はまだ途上

といったところでしょう。

FDD-LTE規格も提供開始!

一方、FDD-LTEをメインにサービスを展開していきたい中国聯通と中国電信にもようやく追い風が吹き始め、2014年6月27日に国家工業情報化部からFDD-LTEに関する試験商用ライセンスが発効されました。

翌7月以降に、

   都市名
中国聯通 上海、成都、南京、石家荘、鄭州、深セン、杭州、済南、武漢、ハルピン、瀋陽、太原、長沙、福州、広州
中国電信 上海、成都、南京、合肥、石家荘、鄭州、南昌、南寧、深セン、杭州、重慶、西安、済南、武漢、蘭州、海口

と聯通は北から南まで幅広く、電信は少し南寄りのそれぞれ16都市で試験運用が始まります。

中国聯通はBand3(1.8GHz帯、上り1755~1765MHz、下り1850~1860MHz)で、

中国電信はBand3(1.8GHz帯、上り1765~1780MHz、下り1860~1875MHz)での運用を予定しています。

(割り当て帯域は正式ライセンス発行時に変更される可能性があります)

このように、現状中国ではTD-LTEがかなり先行している状況で、FDD-LTEの展開が遅れているということがお分かり頂けたと思います。3社とも既に4G LTEに適応する通信プランは出揃っているので、設備環境が整ってくれば大きな広がりを見せてくることは間違いありません。

中国移動は2014年内の4G LTEの契約者目標を5000万人に置いています。ここに中国聯通と中国電信のFDD-LTE展開が伸びてくれば・・・、来年2015年は大激動の年になりそうです。日本とは比較にならないくらいのモバイル・マーケットを持つ中国の今後の展開が楽しみでなりません。

この記事を書いた人

増山智明

増山智明

1975年北海道生まれ、2005年に語学を全く勉強せずに、単身中華人民共和国に渡航。 しかし、渡航1ヶ月未満で日本語が分からない中国人女性と出会い、中国語がたどたどしいのに更に5ヶ月後にスピード入籍。度胸があればなんでもできちゃう!? 中国では外資系ウェブ関連企業にて勤務していたが退職して、2014年5月に日本帰国。これから妻と2歳の双子の男の子を抱えてどうする??仕事依頼お待ちしています!

新着コラム