中国でiPhone 6の転売価格が暴落!?その裏にあまり意識されていない大きな罠があった!

2014年9月19日に発売された「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」。

世界的に発売直後は中国人、香港人を中心に仕入れに全世界へ向かった人が大量に存在、それらの商品たちが中国に流れているという状況を前回のコラムでお伝えしました。

これらの海外仕入れのiPhone 6たちは海外→香港→深セン→中国各地というルートで流通しているのですが、前回のコラム後にiPhone 6の価格が暴落しているという報道が目につくようになりました。

一部では「10月10日に中国大陸で発売されるから」「iPhone 6の買い手が意外に少ないから」という噂が出ていますが、それはいずれも正しくありません。

ただ、このような状況に陥っているのは、中国人や香港人すら意識していない大きな罠に直面した影響があるようです。

そのあたりの真実を少し掘り下げたいと思います。

中国大陸では10月10日には発売されない!

まず、中国の一部ITメディアで巡っていた(一部では今でも巡っている)情報として、「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」は10月10日に発売されるという説がありますが、これは真実の情報になり得ないと私は断言します。

「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」に限らず、海外メーカーが中国でモバイル端末を販売するためには、最低でも2つの認証を申請して許可されなければいけません。

ひとつは、「3C認証」(China Compulsory Certificate system、中国製品安全強制認証制度)。

中華人民共和国国内に輸入される製品に対して、中国国内技術標準に適合して、輸入が認められるか、中国政府機関の中国質量認証中心という機関によって審査され認証が与えられる制度です。

iPhone-ccc

こちらについては、上の表の通り2014年9月10日に認可が出ています。

  • A1586: iPhone 6 グローバルモデル
  • A1524: iPhone 6 Plus グローバルモデル
  • A1589: iPhone 6 中国移動版
  • A1593: iPhone 6 Plus 中国移動版

しかし、もうひとつの中国工業和信息化部(情報化部)電信管理局が管理していて、中国のモバイルネットワークを使うための許可である「入網許可」がまだ下りていません。

A1533

 

これは、2013年9月20日に中国を含めて全世界で発売された「iPhone 5S」(A1533)の検索結果ですが、iPhone 5Sに関しては、発売約1ヶ月前の8月22日にネットワークの使用許可が下りていましたが、9月末時点で今回発売予定のいかなるモデルにおいても許可が出ていません。

よって、10月中の発売すら現時点では危ぶまれている状況と言えます。

そんな状況を考えると、もっと「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」を欲して、値段が釣り上がってもいいように感じるのですが…。

すが…。

【編集部:10/1 11:00追記】

ネットワーク使用許可は9月30日付けで下りました。アップル社からは10月17日に中国で発売すると発表がありました。

iPhone 6を入手した中国人の一部が使えない!?との噂から暴落か?

 

「iPhone 6の買い手が意外に少ないから」という説についてですが、確かにこれから普通に中国大陸版を発売する状況になっても、5,500元(約98,000円)くらいからの販売価格が見込まれ、街中のあらゆる人たちが手を伸ばせる価格ではありません。

iPhoneを持つということは、中国人の金持ちや見栄を張りたい人たち(例えば水商売や風俗嬢など)にとってはステータスのようなもので、その人たちが買いに走るということで、一般市民には関係ないのかもしれません。

しかし、本当のところは、もっと難しいところの問題で、iPhoneやモバイル端末に対して豊富な知識を有していない人たちが、海外から手当たり次第?仕入れてきて、それらの「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」の一部が使えないという声が口コミを通じて広がって、iPhoneの価格が暴落したのではないかと私は考えます。

先に書いた通り、「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」のグローバルモデルはA1586とA1524という型番ですが、同じ型番の中でも2つのバージョンが存在します。

CDMAバージョンとGSMバージョンです。

これらは各携帯電話キャリアが対応する通信形式に合わせて、バージョンが振り分けられています。

特に、「iPhone 6」などが使えない!と騒いでいるのは、中国南方地域を中心に多くのユーザーを有している中国電信(China Telecom)のユーザーです。

中国電信は、4G・LTEでは現在地域限定ながら、FDD-LTEとTD-LTEのキャリアアグリゲーション対応高速通信を試験提供しているため、問題なく使うことができる状況ですが、3GはCDMA2000(日本のKDDIと同じ通信形式)を採用しています。

よって、CDMA版を使わないと、中国電信が持っているネットワーク全てを利用することができません。

しかし、そういったことを全く意識せずに持ち込まれたiPhoneたち、恐らくGSM版?をつかまされたユーザーが中国電信の環境で使えないと騒いだために、周辺の香港や深センに噂が飛び火したのだと考えます。

実際、中国大陸で現在出回っている大半は香港版。

香港ではCDMA2000に対応した携帯電話キャリアが存在しない為、香港版=GSM版である可能性が極めて高いはずです。

(裏を返せばもし香港版SIMフリーを日本に持ち込んで使用した場合、KDDIが使えない確率が高いはず)

日本版やアメリカSprint版SIMフリーを中国に輸出すれば、その問題は解決だが?

 

結局は、「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」が使えない?という噂をかき消すためには、CDMA版を中国に持ち込めばいいということです。

例えば、日本はKDDIの3GがCDMA2000を使っているため、SIMフリー版はCDMA版。アメリカではSprintの3GがCDMA2000を使っているため、やはりCDMA版となります。

しかし、現時点ではどこの国においても、iPhoneの在庫は豊富とは言えず、しばらくは品不足が続くものと見られます。

そんな品不足の状況と、いつ中国大陸で発売されるのか分からない状況。

これらを正しく見極められれば、また一時的に価格が上がる可能性はありますが、そこまで中国人たちが考えて商売するのかは、個人的な経験から言って難しいのではないかなと思います。

この記事を書いた人

増山智明

増山智明

1975年北海道生まれ、2005年に語学を全く勉強せずに、単身中華人民共和国に渡航。 しかし、渡航1ヶ月未満で日本語が分からない中国人女性と出会い、中国語がたどたどしいのに更に5ヶ月後にスピード入籍。度胸があればなんでもできちゃう!? 中国では外資系ウェブ関連企業にて勤務していたが退職して、2014年5月に日本帰国。これから妻と2歳の双子の男の子を抱えてどうする??仕事依頼お待ちしています!

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