第4世代(4G)移動通信システム導入の為の特定基地局周波数をNTTドコモ・KDDI・ソフトバンクモバイルの3社に割り当て
3480~3600MHzの周波数帯に対して、NTTドコモ・KDDI・ソフトバンクモバイルが申請。ワイモバイルは申請が認められず
総務省の諮問機関である電波監理審議会は、2014年12月19日に第4世代(4G)移動通信システムの導入のための特定基地局の開設計画の認定についての答申を、総務省に対して行いました。年内にも総務大臣からの正式認定が出る見込みです。
まず、今回の答申に至る背景として、
急増するトラフィックに対応するために、更なる帯域を割り当てることになりました。
トラフィック増加に早急に対応するために、早期に割り当てることが可能な帯域である3,456~3,800MHzについて先行して割り当てることになりました。

これらの周波数帯は上下比率を変動することが可能なTDD方式(現在、日本においての3.9G/LTEで使われている形式はFDD)です。
第4世代移動通信システムは、現在の光回線並みの最速1Gbpsを実現します。
今回は、3,480~3,600MHzの帯域を3つに分割して、Low・Middle・Highに分けて割り当てが行われました。
申請を行なったのは、株式会社NTTドコモ・KDDI株式会社および沖縄セルラー電話株式会社(以下KDDIと総称)・ソフトバンクモバイル株式会社の3社でした。
この申請には、これまでワイモバイル株式会社も計画していましたが、周波数帯を割り当てる際のグループ企業の定義が見直されたため、親会社のソフトバンクモバイルと同時申請ができなくなり断念しています。
今回の申請について、申請が正式認定された後の4年後の年度末までに、各社管轄区域内の人口カバー率50%以上になるよう基地局を全都道府県で設置する必要があり、特にトラフィックが逼迫している地域は2年後の年度末(2017年3月)までに運用開始することが求められています。
帯域については、NTTドコモが「Lowバンド」、KDDIとソフトバンクモバイルが「Highバンド」を希望しました。
NTTドコモ: 3480~3520MHz、KDDI: 3520~3560MHz、ソフトバンクモバイル: 3560~3600MHzを獲得
審査は、3社が申請時に出した計画を評価して配点する方式で行われました。
各社の計画を抜粋すると、
【認定から4年後の年度末における、人口カバー率】
- NTTドコモ: 55.5%
- KDDI: 51.4%
- ソフトバンクモバイル: 50.5%
【認定から4年後の年度末における、特定逼迫地域の基地局数】
- NTTドコモ: 5,027局
- KDDI: 5局
- ソフトバンクモバイル: 3,270局
などと、NTTドコモ・ソフトバンクモバイル・KDDIの順で評点が高くなった結果、
- NTTドコモ: 3480~3520MHz(Lowバンド・希望通り)
- KDDI: 3520~3560MHz(Middleバンド・第1希望却下)
- ソフトバンクモバイル: 3560~3600MHz(Highバンド・希望通り)
と周波数帯が割り当てられることになりました。
特定基地局の運用開始は、
- NTTドコモ: 2016年10月
- KDDI: 2016年6月30日
- ソフトバンクモバイル: 2016年12月
に行われる予定です。
また、各社とも2019年3月末までに全都道府県で運用開始するとしています。
4Gでは、4時間分の動画を最短30秒で取り込める速度を持っているとされています。
計画では北海道・東北・関東・信越・北陸・東海・近畿・中国・四国・九州・沖縄の全11ブロックでまんべんなく2019年3月までには人口カバー率50%を超える見込みです。
今の通信速度でも数年前と比較すると比べ物にならないくらい高速化していますが、それをも超越しそうな未来のモバイルインターネット…。
なんだかワクワク感が止まりません。